「もう一度聞く、その涙は俺と同じ気持ちだと受け取っていいわけ?」
コウさんが今度は優しく目元の涙を拭った。そして柔らかく目を細める。
その瞬間、私の中で必死に堪えてた蕾がパッと実を開く。
封じていたコウさんへの思いが弾けるように、私の中で確かにしっかりと色づき始めたのだ。
「お前の本当の気持ちが知りたい」
「……わたしの、ほんとうのきも、ち……?」
コウさんが私を追い詰める。
容赦ない言葉で、だけど優しく。
逃げられない。誤魔化しなど通用しないその視線で見据えられれば、もう偽ることなんてできない。
「…わ、たし……」
わたしは…
覚悟を決めた。



