冷蔵庫のジーという唸るような音がやけに大きく聞こえた。
それと比例するように、私の腕を掴むコウさんの力も強くなる。
……この人は、誰?
本当にコウさんなの?
あのクールでスマートなこうさんからはまるで想像できないほどの熱い視線に、じわりじわりと目頭が熱くなる。
信じられない言葉の数々に、思わず自分の耳を疑った。
「…なに、言って……、からかってるの?それじゃあまるで、愛の告白、みたい、ですよ?」
私は蒼白なまま、真っ白になった頭で震える唇を懸命に動かした。
私に会いたいなんて。
俺が会いたいなんて、それじゃあまるで私を好きだと言ってるようなものだ。
「…冗談……」
「だったら楽なんだろうけど、生憎俺の気持ちは本物らしい」
コウさんの言葉がリアルに心臓に突き刺さる。
……本当に?
私を……好き?だなんて…、そんなの嘘、だ。
私をからかってるだけ。
いつものお得意な毒舌で私にちょっかいをしてるだけだ。
そう思いたいのに、コウさんのいつになく真剣な口調がそんな私の疑念を打ち消していく。



