「いったいお前の思考回路はどうなってんだ？」
「えっ？」
「俺と唯は付き合ってない。ただの同僚だ。それ以上でもそれ以下でもない」
「えっ、でも……」
あんなに仲良さそうだったのに？
思わずそうポロリと口にすれば、帰って来た言葉はやっぱりアホかというようなコウさんの態度。
「つーか、お前は仲が良ければ誰でも付き合ってることになるのかよ」
「え？そ、れは……」
違い、ます。
確かにそうとは言えない、けど。
コウさんの意見は正論だ。よーく考えてみれば彼の言う通り。
いくら仲がよくたって、恋人関係じゃない人はこの世の中には数えきれないほどいるわけで。
「だいたいあいつは既婚者だ。俺の記憶が正しければ唯は俺の昔からのダチと結婚してるはずだが」
「えっ！」
うそ……
唯さんって結婚してたの？
うそうそ。
思わぬ事実に驚きの表情が顔にでる。
