……だけど、次の瞬間眉を寄せたコウさんがじっと私を見る。
そして彼の口からでた言葉は私が想像してたものとは違うものだった。
「何の事だ」
「……え？」
今度は私が聞き返す番だった。
一瞬ちゃんと聞き取れなかったのかな？そう思い、私はもう一度しっかりとコウさんの目を見て言うことにしたのだけど…
「いや、だから唯さん。コウさんの彼女なんでしょ？」
だってあんなに仲良さそうだったもんね。
コウさんだって、口では恋愛なんてくだらないと言ってるけれど、実際は恋人の一人や二人いてもおかしくはないと思うし。
「あんな可愛い彼女がいるのに、私みたいなのがうろちょろしちゃってごめんなさい」
きっと唯さんだって内心こころよく思ってはいないはず。
ごめんなさい。
本当に申し訳ないことしちゃったなぁ。
そう思った矢先、
「アホか」
なぜかコウさんが吐き捨てるようにそう言った。
思わず目を見開くと、目の前の表情があからさまに呆れたような顔つきになる。
