愛情の鎖



「お、おじゃましまっす…」


目の前の扉を開けた瞬間、まるで禁断の階段に踏み入れるかのようにドキドキと緊張が駆け抜けた。


よし!

ただお粥を持っていくだけ。

そう意気込みながら、やっぱりこれからいけない領域に入り込んでいくような感覚に足がすくんでしまう。

左手にはお粥と、形良く切ったリンゴと、アクエリアスを入れた大きめな紙袋か一つ。

味は、大丈夫。

卵とご飯だけ、というシンプルなお粥だけど自分的には上手く出来たと思う。

ちゃんと食べてもらえるといいなぁ。

そう思いながら階段を慎重に下りていくと、リビングに繋がるだろう扉に突き当たった。

私と同じ間取ならきっとここから部屋に入れるはず。そう思いながら

よーし、行きますよ!


と、もう一度意気込みながら部屋の中に足を踏み入れると、ハラハラと興味深い空間が広がった。