Change 瑳恵~
「ん・・疲れた。よく寝れなかったな。」
背伸びして、そう呟いた。
「いってきます。」
疲れのあまり、ニュースも見ないで外に出る。
「おはよ。瑠亜。『昨日』はありがとう。」
「ん?ああ。瑳恵。おはよ。こっちこそ。なんか役に立てた?」
当たり前・・・だよ。って言いたい。でも、うれしくてうれしくて、声が出ない・・
「お。瑠亜、瑳恵。おはよう」
泣き目な私に声をかける翔。優しいんだな・・・
「おはよ。翔。で?昨日は何かあった?」
瑠亜・・・
「ああ。あったぜ?瑳恵がよ、骨。見つけたんだぜ?」
「まじで?」
あきれ気味・・・?
「瑳恵。ホント・・・あんたって・・・」
ヤバイッ
「ずごいよね!!!」
え?てっきり怒るかと。
「そっそうかなぁ?」
照れる・・・
「それより。瑳恵。今日の2時限目。理科・・・だろ?少し話したいことがあるから、屋上に来てくれないか?」
嘘・・でも。
「瑳恵。」
「分かってる・・・ごめんね。翔。2時限目は行く所があるの。だからよかったら1時限目にでも・・・」
「ああ。そうか・・・ならいいや・・・・・」
ガッカリしてる?私もちょっとガッカリ。してる
「やっぱり。瑠亜。翔との約束は守りたいからさ、私たちの用事は後回しにしない?」      
「は?ちょっと。でも『あの人』は2時限目にしか・・大丈夫なの?」
やっぱりね。
「うん。でも、頑張るよ。翔とは久しぶりに話すからさ。すっぽかしもかわいそう・・『あの人』に説得しに行くからさ。」
「ならいいんじゃない?あたし、由衣と行くからさ。じゃあね。」
それだけ言うとスタスタ行ってしまう瑠亜。
私、なんか悪い事したかな?
「翔。2時限目にね。」
「ああ。」
そういって二人並んで教室に入ると・・・
『なんと!あの翔と櫻木瑳恵の劇的カップル結成!二人とも、愛し合っている!?』
っと黒板に書かれていた。私は、目つきを鋭くして、瑠亜と翔をにらみつける。
瑠亜は瑠亜で、ケータイを使って由衣とそしてもう一人。いつも瑠亜達と一緒にいる、真咲由良と楽しそうにおしゃべり。翔は、赤い顔で照れている・・・私は耐え切れなかった。だから瑠亜と由衣の所に行って・・・
「ちょっと!瑠亜。あんたどういうことよ。なんでこんな噂立ててんの?ふざけないで。たしかに今朝のは私が悪かった。でもこんなことで仕返しする!?」
これ以上ないと言わんばかりの声で言い張った。
「意味わかんないし。何勝手に話かけてんの?初対面なのに。まじうざいから。しかもなれなれしく瑠亜って呼ばないで。あんたあたしの友達でもないじゃない!キモイ!」
なによ。それ・・・
「あなた、誰ぇ?このクラスにぃいたっけぇ?」
由衣・・・・二人してまでも・・・
「早くあっち行けってば!」
強い口調で私にそう言ってきた瑠亜に私は反論することができず・・・でも。ここで諦められない。私はこんなことでくじけない。。だから_...
パパパンッパンッ
私は瑠亜と由衣を叩いた・・
「いった!何してくれんのよ!あんたおかしいんじゃない!?」
「いった。あんたなんなの?おかしいよ・・・」
私にとって、おかしいのはあんたたち・・・
「やめなよ。えっと、櫻木さん。」
「なによ。あんた。あんたはどっちの味方なの?あたしたち、幼稚園からの知り合いじゃない!?忘れたの?ねぇ・・」
私の頬からは一筋の涙。
「私達って。どこまで。知り合いなの?私は小学生までが知り合いだと思ったから、知り合いじゃないことにしてたのにさ。」
「由良。私達。絶交ね。バイバイ」
「意味わかんないし。あんたの味方は由良じゃないし笑。」
私は涙をこらえて睨みつける。教室のドアの近くで
「瑳恵。あのさ_」
と話しかけてきた。でも私は
「許さないから。翔のことも。2時限目も。待たなくていいから。」
そういって教室を出た。