「ごめんね。由衣っ!」
そういい、出ると・・
「瑳恵っ!助けて!」
由衣!?なんでこっちに・・
「無理よっ!由衣!じゃあね!」
ぐいっ 襟をつかまれた・・・
ドタンッ倒れる
「由衣!あんた・・・。」
「別にぃ。私はぁ悪くないもぉん。瑳恵がぁそこ。調べてるのがぁいけないでしょぉ?」
「どっういうこと?」
「だぁかぁらぁ。私はぁ。悪くないのぉ。もぅ。じゃあねぇ。」
クスリと笑い言う由衣に腹が立った。
「ねぇ。見つけたよ・・・」
鬼の声。
「ねぇじゃないのよ。由衣に襲ってよ。そしたら・・・そしたら・・次に遊んであげるから!」
必死に言う。
「ほ・ん・と・う・に・?」
口を動かす。
「うん。お願い。」
「わ・か・っ・た・」
そういうと消えた。その直後
『鬼が約束を守るべく、由衣さんに襲いに行きます。隠れましょう』
なるはずのない校内放送。ゆっくりとした声に緊張感で額に汗。
「これで・・よかったのかな?」
あと3本もあるのに・・・
「瑳恵ー。おーいいるかあ?」
「しょっ翔?1階はもう調べ終わったの?」
だとしたら私はどんだけのんびりなのよ・・
「いるのか。ちょっと困ってるんだけどよ。骨があと3本ねぇんだよ・・・」
え?でも・・
「だとしたら、あっ!」
由衣だ・・・逃げ込んだ先に見つけて。もってるはず・・・
「由衣だよ・・由衣が絶対にとったはず。」
「なんで、そんなことが分かるんだよ。お前は1階にいたはずでもねーだろがよ」
「あのね、さっき、由衣がこっちに逃げ込んできてさ・・・そして私を身代わりにして逃げたの。だけど私が鬼に『由衣に襲ってよ。そしたら・・・そしたら・・次に遊んであげるから!』って叫んだら、いなくなってそして校内放送が流れたの。」
「そういうことか・・・ややこしいな。」
どういうことだろうか・・?
「由衣は、どうしてそんなことしたんだろう?」
「考えてても仕方ないだろ?昼間にでも敬介たちにでも話すとするか・・」
「でもそれでもしも由衣の裏切りが発覚したとして、2チームに分かれない?私は分かれると思う。だって由衣は2回目のかくれんぼのとき、瑠亜が私の身代わりになって死んだっていったら素の口調で話したし、今日だって私を倒して笑って逃げたんだよ?絶対に・・・由衣は敵だよ。」
仮説もなんにもないこの真実。これだけは動かない。
「今話したってしょうがないっていってるだろ!」
「そんなことくらい分かってるよ・・・でも信じたいから。由衣はそんなことしないって・・・・そのっくらいいいっでしょぅ・・・」
頬に一筋の涙。
「あーもううぜーな・・・ありえねぇんだよ・・・きもっ」
「なによ・・・それ・・・もしかして、翔は由衣と・・・」
「ああ。繋がってるし、付き合ってんだよ・・・」
嘘っ!
「じゃあ、なんで告白なんかしたの!?」
「信頼させるためだよ・・・もういいだろう?じゃあな、瑳恵」
そういったときの翔の顔はさっきの由衣の顔と同じだった。
『みつけた・・・』
私は翔との会話に夢中すぎて気づかなかった。
「まって・・・殺すなら・・もう少しまってよ・・やることがあるのに・・」
『キテネ・・』
きてね?どこに?
『鬼が東棟2階に現れました。隠れてください』
また校内放送。