「ば、ばか。
アケミとできるわけがないだろう?」

こいつ酔っ払ってるのか?

もう20年来の付き合いだが、こうして飲み友達でいられるのも、体の関係がなかったからじゃねーか。

それを壊そうっていうのか?


「なーんでよ?あたしじゃ魅力無いの?」


「そういう問題じゃないだろう?
おまえ飲みすぎだよ。とりあえず店を出よう」


「あー、そうやってはぐらかす。
シュウジはいっつもそう。
肝心な話になると、すぐ逃げるようにはぐらかすんだ」


逃げるようにはぐらかす・・・

グサッと胸を付いた。

さすがアケミだ、俺のことよく知っている。


「いいから行くぞ」


足元おぼつかないアケミの腕を絡めながら、店を後にした。