「乾杯!」

ギネスビールのクリーミーな泡が揺れ、あわてて口を付けた。

「あー、んっまい!」

「仕事終わりのビールはうまいでしょう?今日は暑かったからね」

サトルさんは、にこにこしながら微笑んでいる。

テーブルにはカボチャのサラダと生ハム、クラッカーなどが並んでいる。
ちょっとしたレストランみたいだ。


部屋をぐるり見回した。

まるでモデルルームのように無駄なものが一つない。

「すっごい綺麗ですね。今日俺が来るから掃除したんですか?」

「ううん、いつもこんな感じだよ。だって汚い部屋って嫌じゃない。それにいつか売ることを考えたら、綺麗に使ってた方がいいと思ってね」

料理はできるし、掃除も完璧、もし女性ならいい奥さんになるだろうな。