Gスポットを探し当て、指2本を高速で出し入れしたら、数分後「オウオー」と叫んでアケミは昇天した。

そのまま高いびきで寝入るアケミを残して、一人シャワーを浴びる。

はぁ、全然興奮しない。

やっぱり俺は、女性とは無理ないんじゃなかろうか。

気落ちしながら、アケミの隣に潜り込んで眠った。



「今何時?やっばー、帰らなきゃ」

アケミの声で目覚めた。
枕もとのデジタル時計を見れば6時。

俺だってやばい。
かみさんになんて言い訳をすればいいんだ?

慌ててチェックアウトをして、国道246でタクシーをつかまえた。

「乗れよ、アケミ」

内心の落ち込みを隠し、アケミをタクシーに乗せようとしたら、いきなり抱きついてきた。

「大丈夫よ、気にしないで。あたしは気持ち良かったから」

首筋に手を回し、そっとキスをされた。

アケミの柔らかい唇。素敵なキスだった。


道路脇で抱き合う我々を見たのだろう。
走り去る車がクラクションを短く鳴らした。


グレーの朝もやに包まれた渋谷の街。
気が付けば雨は上がっていた。