まさに「ブチュー」って感じだ。


「ああ、もう、下手ねー。
もう1回、ちゃんとやって!」


ちっ!
こいつはこんな時も主導権を握りたがる。

息を整え、精いっぱい優しく唇を重ねた。

どうだ!
これが俺の自己ベストチューだ、ってな具合に。

アケミの舌が、ちょろちょろと俺の口の中、絡んでくる。
長い長い口づけになった。


ヒュー!ヒュー!

口笛の音がして、慌てて唇を離した。

階上を見上げると、2階のbarの入り口から、外国人の太った男性2人が俺らを見て「ブラボー!」と叫んでいる。

ああ、恥ずかしい。

アケミは「ナイストゥーミーチュー!」と言って、手を振った。