「ないの?教科書。」 こくんと頷く碧くん。 ....なんか放っておけないな 「....持ってく?私の教科書。」 ぱぁーっと明るい笑顔に戻ったかと思えば、困った顔をした。 「でもさ、俺が教科書借りたら瑞希が課題できなくね?」 だからいいよ、ってゴミ箱の中やら掃除道具入れの中を探し始める碧くん。 「ははっ....碧くん、ふふっ..持ってって。」 私は数学の教科書を渡した。 だって、教科書が見つかるまでずっと探してそうだったし。