「はぁー……」 思わず、ため息が出る。 「幸せ逃げんぞ。」 好きでため息なんてつかないわよっっ! 「じゃ。」 そう言って、洗顔した時に濡れたであろう毛先から滴り落ちる水の雫を爽やかに拭きながら去って行く零。 「…もうっ!!……ママのばか。」 ママの悪口なんて、何年ぶりかな…? 《私も人間らしくなったな…》 なんて思いながら、素早く顔を洗い、私はその場を後にした。 …… ………