高校卒業式



悠太と「約束」の指切りをした日から

三回目の卒業証書


今日は 町中で
ほたるのひかりが 聞こえてる



幼稚な私が 無理をして


あなたに もっともっと
私のことだけを見てほしくて

髪を染めたり
パーマをかけたり

マスカラやグロスを塗ったり



悠太に駅で告白していた
大人っぽい高校生の女の子を見て



他の女の子を見てほしくなくて

他の誰にも 悠太を取られたくなくて


自分なりに懸命に必死に背伸びをした
高校生の私




昨日の夜 母に頼んで

小さい頃から 母と一緒に通う
近所の美容院に 無理を言って
夜遅くに

私は 髪をストレートパーマと黒髪に
戻してもらった



もう背伸びをしなくても

無理をしなくても

先を急がなくても

私は 今のままの私で

少しずつ ゆっくり前を向いて
悠太と一緒に 大人になっていきたい



あなたと過ごす毎日を

あなたと一緒に生きていく毎日を


そして今しかない

過ぎて行く時間を

通りすぎていく季節を

ひとつひとつ 大切に
私の心の中の宝箱にしまって


悠太のとなりで
少しずつ 大人になっていければいい

そう思えた