「お前ら やめろよ !!」



大きい声で
輪の中に 入ってきた男の子


その男の子は

アルバムのなかの
私の横に映る男の子




その男の子は

私の 幼稚園からの 幼馴染みで

いつも 誰かが からかわれたり

いじめられていると


必ず 輪の中に 飛び込んで
守ってくれる

そんな男の子だった


その子の登場で


からかった男の子たちは
ブツブツ文句を言いながら

その場を離れていった



まわりの女の子達が

男の子たちが投げ捨てた

ポーチと生理用品を拾い

そっと

私のバッグに入れてくれた



大泣きする私に

「尚ちゃん 大丈夫?」

その男の子は
私のそばに駆けつけて

心配そうな顔で

私を覗き込んで 私の頭を
なでていた

私が 泣き止むまでずっと



私は いつもこんな時


この男の子の顔を見るだけで


ホッとする



幼稚園から ずっとずっと




「大丈夫 ありがとう」



私は 涙で ぐちゃぐちゃの顔を
腕で拭い そう答えた