女性


それ以前に
女の子すら 成長しきれていなかった


小学生の私

こころと からだが 伴わない


でも 真剣に 話す 母の顔を見て
私は 子供ながらに


生理のことを 理解しようとした



私は 生理の日が本当に嫌い


学校を休みたいと 母に必死に
泣きながら 言った



でも母は けして
恥ずかしいことではないと

私を休ませては くれなかった


プールの日 体育の時間



そして

トイレに 行くときが 本当に本当に
嫌だったから


クラスの誰にも 見られないように

洋服の下に 小さなポーチを
必死に隠して

トイレに行くときは
本当に 憂鬱だった



小学生の男の子という生き物は

とても残酷で



隠そうとするものに

興味を抱く



相手が 見せたくないものを


意地でも 見ようとする生き物



ある日の昼休み


私が 友達と図書室から帰ると


クラスの男の子3人が 私の机を
囲んでいた


そして 教室に 入ってきた 私を見るなり



「吉見ー これ 何ー!」と


バッグの奥底に隠していたはずの


ポーチから
生理用品を取り出して 私に見せた


私は 必死に その場に 駆け寄り

取り返そうと その男の子と
取り合いになった


私が ムキになれば なるほど

彼らは 面白そうに からかう



私は 悔しくて 恥ずかしくて
涙が止まらなかった


まわりの女の子達が 駆け寄り

その男の子たちを 取り囲んで
また ケンカになった


私は ただ ただ


みんなの
輪の外で泣くことしか できなかった