俺…
悠太は 幼稚園の門を開けながら
その小さな園内を
じっとみつめて 私に語りかけた
入園式のとき
初めて 尚見て
尚 ずっと泣いてて
お母さんの足にしがみついて
離れなくて
先生を困らせてた
すごく気になって
ずっと 尚ばっかり見てて
入園式 何やったか 全然覚えてない…
尚 いつも 泣き虫だけど
俺を見ると いつも笑ってくれて
悠ちゃんって 走ってきてくれて
いつも いつも 尚のこと
ばっかり考えてた
他のともだちが 尚のこと
好きだって 聞いたとき
俺 ソイツと大喧嘩になったんだ
俺の尚だから ダメだって
尚の気持ちなんて知らないのに
俺 勝手に 独占しようと してた
誰にも 尚を取られたくない
そう思ってた
俺 昔から ヤキモチ妬き
だったんだね
悠太は ちょっと 照れくさそうに
笑いながら 私を見た