中学3年の毎日は

それまでの中学生活とは違い

進学の準備に 慌ただしい日々だった


学校の帰り道

悠太から 進路の話をしてきた



悠太は 地元の工業高校を受験する


本当なら
同じ高校に 進みたいけど

彼の受験する高校は 男子高

私は 隣の町の高校を
受験する事を 悠太に伝えた


「あーあ 尚ちゃんと 毎日昼休み
会えなくなるよ 複雑だな」


ガッカリするように うなだれて
悠太は言った



いつも こんな感じで 私の心を
くすぐるような 愛を投げ掛けてくれる

大好きだよ 悠太


「悠ちゃん 浮気したら 許さないからね」


と ちょっと ふくれながら 返した



「尚ちゃんもだよ 俺だけ見ててね」


甘えるような口調で 悠太は
私を思いきり 抱きしめる



そこが教室でも

クラスメイトがいても

帰り道
同じ中学の子達が 歩いていても

知らない大人が 横を通りすぎても

私を抱きしめて 愛してると言う


悠太は 純粋で そして一生懸命で
まっすぐな人


誰も気にしない

まわりの目も気にしない

私だけを 見てくれている悠太


私も 悠太の腰に 手をまわして

「愛してるよ いっぱい愛してる」

と 悠太の胸に 顔をうずめた