でも こんな時でも 私の目の前には 違う光景が広がる あの日 小学校6年生のクリスマス会の帰り道 真剣な顔で 好きだと言ってくれた 悠太の顔 「中学に行っても ずっと好きでいてね」 あの日 指切りした 悠太との ふたりの約束 私は 自分の右の小指を 左手で 握りしめながら 言葉を切り出した 「好きな人がいます ごめんなさい…」 私には 悠太しか 見えない