その家を出て 住宅街を抜けると


いつもの 私の通る通学路に出る


その通りの先には


いつも 小さい頃から
恋心を抱く男の子とよく遊んだ
公園がある


さっきの その子の態度が 何となく

引っ掛かったまま


本当は 私 嫌われてるのかな…


楽しかったクリスマス会の気持ち

どこかに飛んでいた



私は いつもの通学路を 石を蹴ったり

脇道の雑草を触ったり


寄り道しながらトボトボ歩いていた



タッタッタッタ


遠い 後ろの方から 誰かが 走ってくる
足音がする


だけど

今の 私には さっきの事で
頭がいっぱいで

振り返る元気は ない




「尚ちゃん!!」


誰かが 私の背中で 私の名前を呼んだ


私は うなだれながら後ろを 振り返ると


アルバムの中の 私の片想いの
男の子が立っていた


「尚ちゃん さっきは ごめんね」


息を切らしながら その子は 私に言った