みんなに
クリスマスカードを渡し終えて


いよいよ
片想いのその男の子に 手渡すときが きた


その私の足取りは 重くて



しばらく その子とは 距離を
勝手に 開けていたから…


勇気を振り絞って近くまでは

行ったけど

だけど 自分から 声を掛けられる
勇気がなかった




本当は 大好きな片想いの彼に

メリークリスマスと 言いたいのに


そんなときも


優しい手を
差し伸べてくれたのは


その子からだった



「尚ちゃん メリークリスマス」


私の顔を覗き込むように

笑顔で 私に言って
カードを渡してくれた



「ありがとう メリークリスマス」


やっと 言えた

片想いの彼への メリークリスマス



その男の子からのカードには

尚ちゃん
メリークリスマス

来年もまた いっしょに
クリスマスやろうね


と 書かれていた



来年も また 一緒にクリスマス

できるのかな…

やれたらいいな

私は 心のなかで そう願った