……"すき"。




…………私は涙がおさまると
颯斗にさっき聞いたことを話した。



「智花…そっか、聞いちゃったかー。」


あちゃーって顔をしてるけど、どこか切なそうで。




「俺んち、マジで金ないんだわ。

それに母子家庭だし。
余計にない。」


それは、初めて聞いた颯斗んちの事情だったーーーーーーーー。





「……えっと、

母子家庭で、お金がないから、就職するって………こと?」


「そ。

しかも俺妹いるじゃん。
妹には進学してほしーし。」



自分のことより、妹さん、お母さん……ってこと?



自分はどんな将来でも、いいってこと?




「…………颯斗は、将来の夢とか、ないの?」


私の言葉で、颯斗の表情が曇った。



「誰にも言うなよ?」


頷くことしかできなかった。


「俺…、本当は教師になりてぇんだよ。」




へ…………………………?


きょう、し?




「そ、う、だった……の!?」



「初めて人に言ったわ。

マジで誰にも言うなよー。」


ちょっと照れてる颯斗の顔は、不覚にも可愛いと思ってしまった。



「なら……教師の夢を叶えて、家族を支えてあげる…じゃだめなの?」



私が、颯斗の家のことに口出しできることじゃないけど。

でも、なにか、なにか、力になりたかったんだ。



「それまでの…学費とか、色々あるだろ。」



「それはそうだけどっ!!!」



「いいから。

智花は気にすんな!


な?」



ちょっと力が入って大きな声が出た私を
頭を撫でておさめてくれる。