「「お誕生日おめでとー!!」」
「えっ、お母さんお父さん!?お姉ちゃん!?」
そういえば、今日はわたしの誕生日だった。
そっか、お母さんたちがいなかったのは、この準備のためだったんだねーー……。
優真はそれを知ってて急にわたしが来たから慌ててたんだね。
本当に、びっくりだよ。
わたしが驚いているを見てわたしの家族たちは嬉しそうだ。
優真のお母さんとお父さんと拓真兄ちゃんもニコニコしてる。
「母さん紗栄子ちゃんと一緒にケーキ焼いちゃった」
紗栄子ちゃんと言うのは優真のお母さんだ。
もしかしてさっきの匂いは……ケーキ?
色々なことが嬉しくて熱いものが込み上げそうになったけど、グッと力を入れる。
「それにねお誕生日もそうなんだけど、もうひとつおめでたいことがあるの。ね?お姉ちゃん」
お姉ちゃんは少し顔を赤く染めて恥ずかしそうに口を開く。
「ナデシコ、今まで言わなくてごめんね」
「わたし、拓真と結婚するの」
「え、拓真兄ちゃん!?」
ニカッと笑った拓真兄ちゃんは優真から毒気を全部抜いたような優しい人。
それに顔も整っていて、かっこいい。