『大きくなっても、ずっとずっと一緒だよね?』
『――……』
『帰ろ』
カランカラン
貝殻のぶつかる音。
昔はわたしの方が足が速かった。
優真の誕生日。
この海沿いの道を、手を引いて走った。
潮の香りが鼻を痛くさせてちょっと泣いたら、バカにされた。
笑いながら貝殻の首飾りを作って渡すと『こんなもん』って口では言ってたのに口角が上がってて、嬉しそうだった。
幼い頃の楽しい思い出。
あいつはずっと覚えてたんだね。
優真の家の前に着いてドアを開ける。
ガチャ
その瞬間、甘い香りがわたしの鼻に舞い込んだ。
パーン!!