「顔赤いよ、優真」


「うっせ、お前もだろーが」



わたしたちはしばらく無言になって。


それでも時々顔を見合わせて、逸らして。



両思いってこんな気持ちになるなんて知らなかった。


むずがゆくて、胸がギューって掴まれる感じ。


「夢」でも「妄想」でもないよね?


疑問に感じるのはこの恋は絶対に叶わないって思ってたから。


春の海が奇跡を起こしてくれたようにしか思えないよ。



海に映った夕日がキラリと輝いて、わたしたちを赤く赤く染めた。