殺戮都市

言葉通り、死神の独壇場。


残った男達も、何も出来ずに死神のトンファーの餌食になり、身体の一部を飛び散らせてステージから落下したのだ。


時間にしてわずか数十秒。


たったそれだけの時間で、屈強な男達三人を仕留めたのか。


誰もいなくなった交差点のステージ。


俺と死神、半裸の女の子を除いては。


ジッと見ている俺に気付いたのか、死神が俺の方を向き、ステージから飛び降りた。


ゆっくりな動きに見えたのに……速い!


あっという間に距離を詰められて、クルクルと回るトンファーが俺に迫る!


もしかしたら俺も殺られるかもしれないと。


そう考えていたから、一瞬それより早く手が動き、俺は日本刀を取り出してその攻撃をガードした。


ガキッという、武器同士が衝突した音の直後、その衝撃に耐えられずに身体が後方に弾かれる。


「う、うわっ!!」


慌てて日本刀を放し、地面に転がった俺を追い掛けるようにして死神が手を伸ばした。


首を掴まれて地面に押し付けられ、トンファーの先端を額に向けられた俺は……メットのシールドの向こうにあるはずの目を見詰めていた。