殺戮都市

今、ガチャをしてしまえばソウルが0になって、もしもの時に身動きが取れなくなってしまうのだ。


「ほ、他にもあるんですよね?強化する方法が」


「もう一つだけ……それは、その武器で人を殺す事なんだ。殺すたび、武器は強くなるんだけど……真治君に出来るかい?」


俺が人を殺したくないと思っている事を、奈央さんから聞いたのかな。


その結果が、群衆の前でなぶり殺しなら、殺してあげるべきだったと今では後悔しているけど。


「分かりません。殺したくはないけど……殺した方がその人にとっては良いかもしれない状況があるって事は分かりましたけど」


あんな現場を見せられては、そう思っても仕方ないかな。


あの女の子だってそうだ。


見ず知らずの他人だから、俺は見て見ぬ振りをしたけど、あれがもしも理沙だったら……。


迷わず飛び出して、守ろうとするだろう。


そして、俺が殺されてしまうんだ。


何かを……自分の命を守る為にも力は必要なんだ。


その為には人を殺さなければならないという悪循環に陥ってしまうわけだけど。


「何にせよ、敵を殺さなきゃ……」


と、新崎さんがそこまで言った時だった。


背後から……さっきのステージの方から、派手な音が聞こえたのだ。