殺戮都市

「まあ、僕達は僕達の出来る事をやれば良い。真治君の刀も、まだまだ強化が必要だしね」


強化って……何だ?


あの怪物の腕を、いとも簡単に切り落としてしまうほどの切れ味を持ったこの日本刀が、まだ強くなるって事?


「強化ってどうするんですか?強化したら、もっと強くなれるんですよね?」


夢物語に思えた、間違った事を正す力。


もしかするとそれが手に入るかもしれないと思うと、聞かずにはいられなかった。


「出来るよ。まだ言っていなかったかな?強化されていない真治君の刀と、僕の金属バットでは、殺傷能力は同じくらい……かな?」


空間から引き抜くように金属バットを取り出した新崎さん。


黒く、硬そうな色をたたえるそれは、確かにそこらで見る物とは違うように思える。


「どうやって強化すれば良いんですか?」


希望が見えたと詰め寄った俺を見詰めて、新崎さんが口を開いた。


「一つの方法はガチャをして、手に入れた武器を素材として使うんだ。手っ取り早く強化するならこれが良いけど……」


口ごもる理由は分かる。


俺は、ガチャが出来る余裕があるほど、ソウルを持っていないのだから。