殺戮都市

何が潜んでいる!


そう思った俺の前に人影が現れ、思わず「ひっ」と小さな悲鳴を上げて日本刀を振り上げた。


「ここには主以外は誰もいない。お前と私しか」


そこにいたのは……クイーン。


斬り刻んで、人の形を保っているはずがないのに……なぜか元通りの姿で、平然と俺の前に立っていたのだ。


「お、お前!!何で……」


今、こいつを見ても憎しみしか湧かない。


どうして恵梨香さんやおっさんを殺したこいつが、何事もなかったかのように復活しているんだ。


もう一度、バラバラにしてやろうか。


「主は……この街を作った。街とシステム、私達を作った」


「そんな事は分かってんだよ!俺はこの腐った街から皆を解放する為に来たんだ!主ってやつをぶっ殺そうと思ったのに……何で死んでるんだよ!」


この憤りをどこにぶつければ良いのか。


クイーンは殺しても死なない、主とやらはすでに死んでいる。


怒りをどこに向ければ良いのかすら分からないで、怒鳴る事しか出来なかった。


「……主は、この街を完成させた後、病で倒れた。ただ強い者だけが生き残り、最も強い者だけが全てを手にするこの街を残して」