「何が主だ!何が認められないだ!!お前に何の権限があって俺の大切な人達を殺すんだ!!皆必死に生きてただけなのに!!」


何度も何度も、全ての怒りと悲しみをぶつけるように、クイーンの身体を斬り付ける。


だけど、言葉を発すれば発するほど、それは今まで俺がこの街でしてきた事と同じだと気付いて。


日本刀を……武器を振るうのを止めた。


そして再び涙。


安心したような、安らかな表情で眠る恵梨香さんの頬を撫でて。


ずっと、永遠に続くかと思うほどの時間、恵梨香さんを愛で続けた。














「少年、そんなに触ると擦り切れる」














なんて言って、目を覚ましてほしい。


俺はクイーンに認められたんだろ?


今までに死んでしまった俺の大切な人達が生き返って、ハッピーエンドで良いだろ?


ゲームなんかだと、それで終わりじゃないか。


この街はまるでゲームみたいなのに、どうしてそんな所はゲームみたいじゃないんだよ。


悲しみで心が押し潰されそうになりながら、恵梨香さんの遺体を抱き締めて。


その額に頬を寄せて泣き続けた。