殺戮都市

無言で俺達に近付く女性が立ち止まり、しばらく俺達を見つめた後、小さく口を開いたのだ。











「……主は眠っている。今の私に対する攻撃は大目に見る。今すぐここを去れ。主には、私が認めた者しか会わせない」














この女性の他に……誰かがいる。


その言葉から、そうである事は分かったけど、だったらこの女性は誰なんだ。


「悪いがそれは出来ない相談だ。こんな街を作り上げて、人を殺し合わせているやつに会うまではな」


会う……それだけでは終わらない。


皆をこの街から解放し、元の世界に戻す事を要求する。


それが叶わない時の事は……考えていない。


「そうか、では力ずくでも帰ってもらおうか」


女性がそう言って、軽く手を振った瞬間……フロアを囲っていたガラスが全部割れてしまったのだ。


何をしたか……分からなかった。


女性が手を振った。


ただそれだけだと思ったのに。


「この力は……ただの人間じゃない!」


恵梨香さんがそう声を上げた時、俺の脳裏に一つの言葉が思い浮かんだ。











こいつは……クイーンじゃないのかと。