殺戮都市

エレベーターを見ていたおっさんが何かに気付いたのか、俺もそちらを見ると、その声の意味を理解した。


ここに上がった時は付いていなかったエレベーターの扉の上にあるランプが点灯し、モーター音のような物が聞こえたのだから。


「誰か来るのか?もしかしたらこの塔の主かもしれない。気を抜くな」


「それにしても、クイーンがいなかったね。ルーク、ビショップであの大きさだ。最強の駒であるクイーンはもっと大きいかと思ったのに、このフロアじゃナイトクラスの怪物で精一杯だ」


何か得体のしれない者が降りてくるかもしれない。


その不安を紛らわす為に、お喋りになってしまう。


黙って待っていると不安に押し潰されそうな気がするから。


そんな人もいる。


でも俺は逆に黙ってしまうタイプだ。


最悪の事態ばかりを想定し、そうじゃなかった時に安心出来るように。


エレベーターの扉が開き、いきなりマシンガンで滅多やたら撃ち抜かれるとか、爆弾が仕込まれていて大爆発とか。


何があったとしても、一応対処出来るように身構えるけれど……。

















俺のその想像は、エレベーターの扉が開いてとりあえず消えた事を理解した。