殺戮都市

中川の武器では、階段から離れた柱に巻き付くビショップを攻撃出来ないのは分かっているはずなのに。


「ハンマーで何が出来るんだよ!飛び道具を持ってる人に任せるべきだろ!」


こんな話をしていても、ビショップが積極的に仕掛けて来ないのが唯一の救いだ。


俺達の行動パターンを見極めて、じっくり喰おうとしているのだろうか。


「北条とこの姉さんを一緒にして、殺し合ったらどうするんだ。結局頭数が減っちまうんだぞ?だったら、二人は別行動にさせた方が良いだろうが」


俺の意見は間違ってないはずだけど……中川の意見を聞いた後だと、どちらが良いかは考えなくても分かる。


「僕もその方が良いと思う。明美さんとこの人は離すべきだよ」


中川だけじゃなくおっさんまで。


「だったら中川、ここは任せたぞ。少年、ハゲ、行くぞ!」


俺の意見を聞こうとせずに、恵梨香さんがポンッと肩を叩いた。


有無を言わせない強引さは以前から変わっていない。


だけど、今回はその強引さに救われた感じだ。


俺自身、中川の意見が正しいと理解していたけど、口に出した言葉を撤回するのが嫌だったから。


そんな心情を汲んでくれたのかもしれないな。