殺戮都市

ビショップを前にしているというのに、奇妙な沈黙が辺りに流れる。


おっさんに諌められて、明美さんも少しは反省したかな。


「……ったいわね!このハゲ!」


なんて思ったのに、明美さんはおっさんの頭を叩き、頭部に巻いていた布とゴーグルを弾き飛ばして、その物足りない頭髪を露出させたのだ。


「ええええ!?そこは反省するところじゃないの!?」


当のおっさんが一番困惑しているようで、頭をさすって情けない声を出した。


こんな人だったよ、明美さんは。


自分は悪いなんて微塵も思っていない。


自分の為に何かしてくれない奴はとことん嫌う。


「言われなくたって分かってるっての。ただ、ムカつくのはどうしようもないでしょ!そうやって今まで生きてきたんだから!」


「だ、だからって、時と場所を考えてだね……何も殴る事ないじゃないか!」


「あんたが先にやったんでしょうが!このハゲ!ハゲハゲ!」


一体何の争いだよ……ハゲハゲって、子供じゃないんだからさ。


「すまないが、そんな不毛な喧嘩をするくらいなら手伝ってくれないか?この蛇をやるんだろう?」


意味が分からない言い合いに、恵梨香さんが口を挟んだ。