殺戮都市

けれど、その装甲は少し隙間が開いただけで、期待していたほど大きく開かない。


期待外れだけど……予想していなかったわけじない。


本来の用途を完全に逸脱した行為に、日本刀の刀身がに曲がってしまうんじゃないかと不安になる。


さらに力を込め、装甲を押し上げたその時。


「真治君!」


後方から走って来たおっさんが、俺が押し広げた隙間に槍を突き刺し、さらに力を加えたのだ。


ギシギシと、金属が擦れるような音が聞こえて……やっとの事で広がったのは30センチ程。


棍を押し込んで力を込めても……これ以上は広がらなかった。


それならそれで、後は明美さんに任せるしかない。


「明美さ……」


少し上体を捻り、後方を見た俺は……斧を振りかぶって接近する、怒りに満ちた明美さんの表情に恐怖した。


振りかぶった斧を、その細い腕のどこにそんな力があるんだと思うような勢いで振る。


「死ねっ!!」


殺意が俺に向けられているのか、その刃が俺に襲い掛かる!


「う、うわっ!!」


もう、逃げるしかなかった。


おっさんもそれに気付いて、慌てて飛び退く。


武器から手を離し、ルークの腕から転がり落ちて、何とかそれを回避した俺は、上にいる明美さんを見上げた。