殺戮都市

……あれから数時間。


結局、奈央さんと何かが起こるという事はなかった。


と言うより、ベッドに横になった奈央さんはすぐに眠ってしまい、俺は興奮して眠れなかった。


「あー……よく寝た。真治君、おはよう」


「あ、お、おはようございます」


バスタオルが外れて、艶かしい背中のラインが目の前にあるけれど、これも正しい見てるだけなんだろうなと諦めの境地に達している。


いや、そんな事より……期待しすぎて肩透かしを食らった分、今になって眠気が……。


「とりあえずさ、和馬と明美と合流しようよ。その後の事は四人で考え……って、真治君?眠いの?」


奈央さんが話している事が頭に入って来ない。


「奈央さんに……興奮しすぎて……眠れませんでした……」


もう限界……眠気で性欲もなくなった。


結局、俺が眠っている間奈央さんも動く事が出来なくて、さらに数時間経った後、ようやく動き始めたのだった。


この間に一度戦闘が行われたらしく、二度寝した奈央さんも参加はしなかったらしいけど、新崎さんと明美さんの安否がさらに分らなくなっていた。


そして、不思議な事はこのホテルを出てから気付いた。


かなりの時間が経過したのに、空は黒いまま。


太陽が昇っていなかったのだ。