殺戮都市

振り上げられる腕、狙いは俺。


上空でピタリと止まった巨大な拳が、まるで隕石のように俺に降り注ぐ!


慌てて飛び退いたけれど、重量のあるその塊は道路を陥没させ、さらにその周囲を無様に隆起させる。


一撃の威力だけなら、中川のウォーハンマーを遥かに上回っているだろう。


俺が攻撃出来るチャンスはここしかない!


地面にめり込んだ拳に向かって走った俺は、以前もやったように腕を上り始めた。


ルークが俺を振り払おうと腕を上げるまでが勝負だ。


ゴツゴツした装甲を駆け上がり、露出している頭部に辿り着けさえすれはそれで終わる。


脳天に日本刀を突き立ててしまえば、どんなにデカくても関係ないだろ!


それが出来ないようなら、装甲と装甲の繋ぎ目に日本刀を挿し込んで斬る。


今のところ、この二つくらいしか作戦が思い浮かばないけど……やるしかない!


肘くらいまで駆け上がった所で、大きなルークの顔が俺の方を見る。


完全に目が合って、反対側の左手が……俺を掴もうと迫って来たのだ。


「嘘だろ!?振り落とさないのかよ!」


てっきり振り落とすだろうと思い込んでいた俺にとって、その行動は予想外だった。