殺戮都市

奈央さんに武器の消し方、取り出し方を教えてもらって、俺がシャワーを浴びて部屋に出ると……照明が消えていた。


もしかして、俺を置いて出て行ったのかと思ったけど、奈央さんの服は床に置かれたまま。


身体を拭き、下着を履いてベッドの方を見ると……すでに奈央さんは布団を被って横になっていた。


……この状況で、その気になるなって言うのがおかしいよ。


俺には理沙という彼女がいるのに、目の前の大人の女性の色気に負けそうになる。


胸が苦しくなって、理性が飛んでしまいそうになる。


「真治君、上がったの?少し休もう。寝るのも大事だよ」


ベッドの片方に寄って、俺が寝るスペースを開けてくれている。


つまり……一緒に寝るって事か!?


こんな現場を理沙に見られたら、一発で別れを切り出されるな。


だけど……俺はこんな変な街にいて、理沙はいない。


何をしても……分らないよな。


「し、失礼します」


期待するなと言われても、期待してしまうこの展開。


奈央さんの隣に横になった俺は、向こう側を向くその姿をジッと見ていた。


振り返って、ゆっくりと俺に迫って来る姿を想像しながら。