殺戮都市

大山田の店の前でゴタゴタが発生してから、暫く時間が経った。


俺達は、怪物に見付からないように慎重に移動し、バベルの塔がすぐそこにあるビルの中で待機していた。


「良いですか、皆さん。今回我々は、南軍の連中と共闘する事になります。敵は南軍ではありませんから、怪物を倒す事だけを考えてください」


ひとかたまりでいるより、バベルの塔を包囲するように進行した方が良い。


恵梨香さんのそんな提案で、俺達はバラバラになって作戦開始の時を待っていた。


窓から見える、天を貫く塔は不気味な気配を醸し出していて……俺達が来るのを待ち構えているよう。


他の人なら誰とでも良かったのに、よりによって俺は木部と一緒にいる。


北軍の木部の部下や、恵梨香さん達と連絡が取れる唯一の人間だから、南軍のおっさんと連絡が取れる唯一の人間である俺と一緒にいるのだ。


突入する時間は指定したけど、その時間にもう一度連絡を取る為に。


「では後10分後に突入です。準備は済ませておいてください」


通信を終了し、端末をズボンのポケットに入れて俺に視線を向ける。


窓ガラスに反射して、それが見えていた。