殺戮都市

それはただの偶然に過ぎなかったけど、上手い具合に死体が重なってくれたから、それが足止めになった。


……死体の上に倒れて、内臓と血まみれになっている人が可哀想に思えるけど。


気付けば自然に戦闘は終わっていて、返り血を浴びて立つ俺達に挑もうとしているやつは……もういなかった。


「半分か……実力を示すにはまあまあってところですかね。これでこいつらも分かったでしょう。どう足掻いたって、勝てないってね」


群衆の先頭に歩み出て、死亡した人達をじっくりと眺める。


「お前は随分物分りが良くなっちまったじゃねえか。何か企んでるんじゃねえのかよ?」


中川にとっても、随分久し振りなまともな戦闘になるのだろう。


俺とやった時は酔っ払っていて、まともに戦ったとは言い難いし。


良い具合に腕の筋肉が張っていて、準備運動が出来たと言った様子だ。


「物分りが良い……ねえ。俺はこいつに二度も負けてるんですよ?それも、善戦どころかあっさりとね。一度負けても運が悪かったと言い訳出来ますが、二度も負けるとそれは、力を認めるしかないですよ」


恨みはある、だけど殺せないから諦めるしかない。


木部の言葉からは、そんな想いが感じられた。