殺戮都市

「何とでも言えよ。俺はお前と違って、人間らしい人間なんだよ。鉄のハートなんて持っちゃいねぇ。元恋人を殺したってのに、悲しくねぇのかよ」


高速回復は、酔いですら治してしまうのだろうか。


舌が回っていなかった中川が普通に話し始めて、目も以前のようなしっかりとした物へと戻って行く。


「私は、私が正しいと思った事をしているだけだ。あいつと私の正義は違った……ただそれだけだ」


「そうやって割り切る事なんて出来ねぇって言ってんだよ。悩むから人間なんだろうが。それを無くしたら、そこらにいる怪物と何も変わらねえ」


中川が言いたい事は俺には良く分かる。


だけど、恵梨香さんは悩んでないわけじゃない。


必死に悩んで、迷って、それでも生きる為に道を選んでいた事を俺は知っている。


決して、心がない殺人マシーンなんかじゃないんだ。


「何とでも言うが良い。そして、私の進む道に、お前の手助けが必ず必要になる。嬉しいだろう?生きる意味が出来たんだ」


「どこの悪人だ……。正義の味方が言うようなセリフじゃねぇぞ。こんな飲んだくれを誘って、一体何をしようってんだ?」