殺戮都市

残った手で端末を取り出して画面を操作すると、中川はすぐに店の壁にもたれるように腰を下ろした。


何度も「はぁっ」と溜め息を吐いて、恨めしそうに俺を睨む。


「あー……気持ち悪りぃ。分かってんだろうな。俺が酔ってなかったら、こうはならなかったんらろ!」


そうかもしれないけど、中川が酔ってなかったらこんな事はしない。


「あんた、初めて会った時と全然変わってないよ。ずっと酒に溺れてたから、弱くなったんじゃないの?」


一ヶ月も目覚めなかったせいか、俺は以前のような動きが出来ていない。


狩野の動きを身体が覚えてはいるけど、気持ちが遅れているというのだろうか?


器に対して、気力と言うか闘志が足りない気さえしている。


そんな俺に負けるなんて、弱くなったとしか思えない。


「……飲まなきゃやってられねぇんだよ。俺は何の為にこの街で生きてんだよ。守りたかったやつらを失って、一緒に死んでやる勇気もねぇ……」


「笑わせるな。お前はあいつらを守りたかったわけじゃない。一人でいるのが怖かっただけだろう?見た目と違って、随分臆病じゃないか」


俺と中川の小競り合いを、ただ見ていただけの恵梨香さんが辛辣な言葉を浴びせた。