殺戮都市

どれくらい歩いただろうか。


もう、今どの辺りにいるのかが分からないくらい移動して、精神的にも辛くなって来た。


暗闇、悪臭、どこから襲われるか分からないと言う恐怖。


それらがジワリジワリと俺に迫り、いつしか心も身体も戦闘体勢に移っていた。


松田と戦っていた時のような、ヒリヒリとした感覚が肌を撫でる。


今なら、銃弾でさえ切り落とせるような気がする。


そんな感覚が身体の内部から溢れ出したような気がした途端……。













「ガウッ」












その声に、思わず日本刀を抜いた俺が見たものは……。


タラップの前で動きを止めた怪物の姿だった。


……何だ?ここを上れって言うのか?


地下だったから、どこをどう移動したのか分からない。


相当な距離を歩いたような気がするけど、同じルートを歩けと言われたら、それは二度と出来ないだろう。


「やっと到着したのか?こんな所まで連れて来て、一体何をしたいんだよ」


まだ、罠だという可能性は捨て切れない。


器用にタラップを上る怪物の姿を見ながら、俺もそこに近付いた。