殺戮都市

膝よりも下くらいの浅い川。


と、言うより用水路か?


流れは緩やかで、歩くのに支障はない。


流れに逆らうように上流に向かって歩き続けて、怪物はどんどん街の中心部に。


今のところ、襲われる気配はないけど、いずれここにいる俺達に気付いて怪物達が襲い掛かって来るに違いない。


「おい、どこまで行くんだよ。お前は良いかもしれないけど、俺は見付かったら襲われるんだぞ?」


そう言っても、相変わらずマイペースに歩き続ける怪物。


そして、俺の声が聞こえていたのか、川の横穴に入って行ったのだ。


増水した時に閉まる金属の蓋が、俺が通る時に落ちて来るんじゃないかと不安に思い、その横穴に入る。


中は真っ暗。


照明の一つもないこの暗闇を進めって言うのか?


いくらなんでも、何があるか見えない場所を歩くのは抵抗がある。


ズボンのポケットから端末を取り出して、その画面の淡い光で足元を照らす。


普段ならなんて事のない心細い光も、本当に暗い中では頼りになる。


まさか、俺が逃げられない状況を作り出してから集団で襲い掛かる……なんて事はないよな?


そんな不安を抱きながら、俺は怪物の後を歩いた。