殺戮都市

棍から手を放し、日本刀を抜いた俺は、ジッとこちらを見る怪物にその切っ先を向けた。


「何なんだよお前は……他の怪物とは違うみたいだけど、はっきり言って鬱陶し……」


と、そこまで言って、握り締めた日本刀がビクンビクンと動いている事に気付いた。


この怪物に反応しているわけじゃない。


何か……もっと別の物に。


そう思った直後だったら。


俺が今まで歩いていた道路から、ドンッという轟音と共に、立っていられないほどの揺れが襲いかかって来たのだ。


慌てて背後を確認した俺は、視界を完全に塞いでいる巨大な怪物……ルークの姿を確認した。


そんなバカな……こんなやつ、どこにいても気付くはずなのに。


今の今まで、歩く音も、揺れも感じなかったのに。


もしかして、他の怪物とは違っていきなりどこかに現れるのか?


そうとしか考えられない。


……だったら、あのまま放っておけば俺は死んでたかもしれないじゃないか。


どうしてこの怪物は、俺を路地に引き込んだんだ?


「まさかとは思うけど……俺を助けたのか?」


その問いにも、怪物は何も反応しない。


そして……俺を誘導するように路地の奥へと歩いて行ったのだ。