殺戮都市

背後から聞こえた、タタッという足音に振り返った俺は、今まで隠れていた怪物が接近して、腕に噛み付こうとしている姿を見たのだ。


まずい!


光の壁が近くなった事で一瞬安心してしまった。


この隙を狙っていたのか!?


回避する事も出来ずに、俺の腕に噛み付く怪物。


このまま噛み切られる!















そう……思ったのに。


怪物の牙は、俺の腕の表面を甘噛みしているだけで、痛みすら感じなかったのだ。


そして、ビルの陰に誘うように、俺の腕を引っ張る。


「お、おい!放せよ!!」


殺そうと思ったのに、武器を掴まれている腕を噛まれているから殴れない。


武器を反対の手に持ち替えようとするけど、怪物の手が棍を掴んでそれすらさせてくれない。


小さな個体でも、力は俺より強い!


ズルズルと引きずられて、ビルの陰に入った所で、怪物はその口と手を放したのだ。


何がしたいんだこいつは!?


俺を喰うわけでもなく、こんな所に引き込んで。


こいつを放置していれば、この先もこんなわけの分からない事をするかもしれない。


だったら、ここで始末しておかないと。