殺戮都市

痛いし、笑顔が腹立つけど、言いたい事は理解出来るつもりだ。


それくらいじゃないと、この街で生きては行けないだろうから。


だから、この人達のテリトリーに不用意に飛び込んだ俺が悪いと言えば悪いんだ。


「死ななかっただけ運が良かったよ」


そう言って、俺は男の手を掴んだ。


グッと引かれて、身体を起こされる。


痛みが右肩から全身へと駆け巡っているようで、しばらくこのままってのは我慢出来ないかもしれない。


ドクンドクンと、脈に合わせて血が吹き出している。


戦闘が終われば怪我は治るけど、その戦闘も今しがた終わったばかりだし。


自軍にいて使うのは勿体無いけど、俺は端末を取り出して高速回復を行う為にそれを操作した。


自軍での高速回復は、本当にすぐに治癒してくれるから。


「いやいや、なかなかに見事なもんだったぜ。あの高さのビルから飛び降りて、さらに俺達の矢を弾くなんてな」


俺がさっきまでいた対面のビルを眺めながら、男がニヤニヤと不敵な笑みを浮かべていた。


「そうそう、矢の速度を超えなきゃ、武器で弾くなんて無理だよね。漫画なんかでは良くあるけど、生身の人間がやってるのなんて初めて見たよ」