殺戮都市

低いビルへの飛び移りは問題なかった。


問題があったのは、次のビルへの移動に道路を挟んでいる場合と、立っているビルよりも高いビルに移る時。


この条件が二つ揃った時が最悪だった。


眼下の道路には怪物の群れ。


中にはナイトもちらほらと見える。


飛び降りて道路を走っても良いけれど、出来ればナイトとは戦いたくない。


俺一人であいつに勝てた事なんて……まだ一度もないのだから。


「ビルを渡るしかないよな。逃げるだけなら降りても大丈夫そうな気はするけど」


結構移動して来たように見えても、光の壁がやっと肉眼ではっきりと捉えられるようになった程度。


街の明かりが邪魔しても見えるというだけ。


まだまだそこまでの距離はあるな。


それに……地上があんなだからか、このビル群の屋上には何人か人がいて、変な事に巻き込まれたくない俺は、それらも避けて通っていた。


だけど……。










「道は、選べないってわけか」










大通りの向かい側、今いるビルよりも低い建物は一つしかなくて、それ以外は100m超級。


ただでさえ飛び移るのに困難なのに、そこには人の姿も見えたのだ。