殺戮都市

俺が望んだわけじゃないのに、勝手に俺に語り掛けて来る。


その声に助けられた事はあったけど、今思えばそれは俺に死なれたくないからなんだろうな。


そんな狩野が、ビルから飛び降りようとしている俺に何も言って来ないって事は……飛び降りても大丈夫という事だろう。


「よし……今度こそ本当に行くぞ」


日本刀を取り出して、身体に感じる重さが軽減される。


これだけは忘れてはならない。


元の重さのまま飛び降りてしまえば、大怪我をする所だ。


ゴクリと唾を飲み込んで、目標地点に向かって俺はビルから飛び降りた。


風を身体に感じる。


それが落下速度と合いまって、俺に恐怖を植え付ける。


迫るビルの屋上。


着地姿勢に入らないと、屋上に叩き付けられるかもしれない!
















と、身構えていたけど……屋上への着地は実にあっさりと、呆気なく完了したのだ。


衝撃としては、階段の五段目くらいから飛び降りた程度。


これじゃあ……狩野も何も言って来ないはずだよ。


なんだか少し恥ずかしくなって、ポリポリと頭を掻き、次に飛び移るビルを探した。


光の壁までまだまだ遠くて、ここからは霞んで見えた。