殺戮都市

エレベーター、階段を使って、屋上にやって来た俺は、隣のビルを見て息を飲んだ。


このビルだけ、周囲のビルより少し高い……。


高さにして二階分ってとこだけど、戦闘状態じゃなく、普通に飛び降りるとなると……死んでしまうんじゃないかと思ってしまう。


「だ、大丈夫だよな?」


柵を乗り越え、屋上の縁に足を掛けて下を見た俺の背筋にゾクッと悪寒が走る。


戦っている時はそっちに意識が向いているから気にもしなかったけど……こんなに高いのか。


恵梨香さんが隣にいてくれたら、少しは勇気が持てるのに。


背中を押してくれる人がいないだけで、こんなに心細いのか。


「大丈夫、大丈夫だ……多分」


眼下に見える隣のビルの屋上。


どこに着地するか、狙いを定めなて。


よし、飛ぶぞ!
















と、決意しても、俺の手は柵をしっかり掴んで離さなかった。


やっぱり怖い。


大丈夫だと分かっていても、普通ならただでは済まない高さに、脳が行く事を許可しない。


俺の身体を乗っ取ろうとしている狩野がこれを見たらなんて言うかな。


きっと罵るに違いない。